別のお話。
「ごめん……」
「春人、私はそんなこと気にしてないの。
ただね、私が死んでから春人がいまを生きなくなったことが悲しかった。
私の存在を消されたのが寂しかった。
だからここへ来たいと願ったの」
「消しただなんて」
「消したでしょ?私のことを消してなかったことにしたじゃん。
姿が見えたのに気づいてくれなかったじゃん。
名前を伝えても気づいてくれなかったじゃん。
それでも春人が笑っててくれるなら良かった。
でもやっと会えた春人は全然笑ってなかった。
そんなのって悲しいよ。寂しいよ。やだよ……」