別のお話。
「私ね、本当はすごく怖かったの。最初は嬉しかったんだ。
願いが叶ってまたここに来れた。
春人に忘れられてるって思い知らされるのは少し寂しかったけどそれでもこの数日間はとても幸せだった。
でもそれはすぐに恐怖に変わった。
春人といればいる程。楽しければ楽しい程。幸せなら幸せな程。
その恐怖はどんどん成長していった。
あの事故は確かに避けられないものだった。
大げさだけどきっとそう言う運命だった。
でも……やっぱり死にたくはなかった。
もっとずっと春人と一緒にいたかった。
そう思うとここから消えることが怖かくなった」