別のお話。
あの重みも嫌いじゃないけど、やっぱり一人で乗る方が断然楽だ。
「はーる!おはよう」
「おはよう」
駅前通りの手前。
広い道路から脇道に逸れてすぐ。
いつも俺と凪が会う場所。
ここから一緒に学校へ行くのももう四年目になる。
「誕生日はちゃんと祝ってもらった?」
「ああ。凪も服、ありがとうな。海がセンスいいって褒めてた」
「どういたしまして。海ちゃんも分かってるねー」
締まりのない顔で「でへへ」と凪が笑う。