別のお話。
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坂の途中に無理やり建てられた広いけれど古い一軒家。
いつもと同じように窓からは明かりが漏れていて、いつもと同じように双子の怒鳴りあう声が外まで響いている。
よくもまあ毎日似たようなことで喧嘩できるもんだ。
呆れながら玄関横に自転車を止めてドアを開けると海の怒鳴り声が予想よりも大きく届く。
「なんであんたはいつも私のものを食べちゃうのよ!」
「残しとくのが悪いんだろ。嫌ならさっさと食えばいいじゃん」
「お風呂でてから食べようと思ってたの!名前書いといたでしょ!」
「うるさいなー。そんなんいちいち確認しねえし」
「あんたが取られたくないなら名前書いとけって言ったんでしょ!」