蒼の世界を探して
「海結ってさ、彼氏居るの?」
「え?い、居ないよ?」
「マジで?何で?めっちゃモテるでしょ?」
「モテないよ……? 蓮の方こそ、凄いモテるよね。」
何故そう見えるのだろうか?
私はさっきの光景の方が衝撃的だったんだけど。
「あぁ~さっきのあれ?」
「うん。ビックリした。」
「本当のこと言うと何でか分からないんだよね。気付いたらあの子達に囲まれてた。」
「え!? 」
「それよりさ、海結、オレの彼女にな…
「ならないよ。」
「! ……蒼眞!?何で?」
「……おい、邪魔すんなよ、蒼眞。」
海結に触れようとした手を払われた。
何で蒼眞がここに居るのも謎だが…
「…帰るぞ、海結。」
「え?う、うん。」
半ば強引にソファー席から連れ出された。
何か蒼眞怒ってる?
去り際に蓮のこと睨んでるように見えた。
「そ、蒼眞、待って。帰る前に、海斗のとこ行っても良い?」
「あぁ。俺も行く。」
「あ、海結居た! って何で蒼眞さんと一緒なわけ?」
「本当だ。蒼眞のやついつの間に来てたんだ?」
蒼眞に手を引かれて歩く海結を見つけた。
あっちは確かソファー席があったような…?
「! もしかして、」
「あぁー、やばいアイツ居たの完全に忘れた。」
「海斗! 忙しいのにごめんね。もう帰るよ。」
海結がカウンターで作業していた俺に話しかけに来た。
何故か隣に蒼眞さんも居るし、一体いつ来たんだ!?
「海斗、お前、あいつのこと話して無かったのか?」
「?」
「蓮のことだよ。ったく、本当にあいつ酒癖悪ぃんだから」
「!? す、すいません…。話してなかったです。」
「いや、良い。俺も注意しなかったからな…。」
「? 蓮って酒癖悪いの? 」
「あ~そうだな...。俺も最初に言っておくべきだった。アイツは酒飲むと、女の子なら誰でも口説く奴なんだ。」
「え? あれ酔ってるの?」
「俺が見た感じじゃ、かなりな...…。」
蒼眞が呆れたように答える。
「酔って女の子口説きまくって、次の日には記憶無くして、全部忘れるみたいで、更にタチが悪いんだよ...。本当ごめんな。説明しておくべきだった。何もされてない?」
海斗が謝ってきた。
「う、うん。特には...何も。」
手を繋がれたり、肩を組まれたりはしたけど(笑)
というか、あれ酔ってたんだ!?
全然酔ってる感じに見えなかったな.....。
「告られてただろ?忘れたのか?」
「え?あーうん。そうだね。」
「アイツの彼女なんて言う奴、沢山居るからな。本気にすんなよ?」
「し、しないよ!(笑)」
蓮って、そういう人なんだ...ビックリ。
でもカッコイイからモテるのは分かる気がする。
酔っていなかったとしても、普通にモテそうだもん。
私もちょっと揺らいでしまったから。
「海結連れて帰るわ。行くぞ?」
「 うん。あ、そうだ、お会計まだだった!」
「良いよ、今日は俺が誘ったから俺の奢り。」
「え!?そ、そんなのダメだよ!!」
海斗は、お会計は要らないと言ってきた。
それは流石に申し訳ない。
っというか結構私飲んでたのに...。
「良いんだって!最初からそのつもりだったから。その代わりまた来て?」
「! .....うん!絶対また来るよ!」
「ん、気を付けて。」
「ありがとう。美味しかったよ!楓さんと陸斗も、ありがとね、帰るよ!」
少し離れた所に居る二人にも挨拶して
Bar BLUEを後にした。