蒼の世界を探して
写真を撮っていると
後ろから声をかけられた。
「………お前、何してんの?」
「!? あ、れ?……蓮?」
「呼び捨てかよ…まぁいいけど。」
「……そっちが!……っ、何でもない。」
「何だよ、話せよ。」
「蓮がそう呼んでって昨日言ったから…」
「………悪い。何も覚えてねぇ」
「…そうみたいだね。」
「で?何してんの?」
「写真撮ってるの」
「……写真。それって…蒼眞と同じってこと?」
「同じって?」
「…あいつも写真撮ってるだろ?だから…。」
「あぁ、そういうこと!同じなのかな?良く分からない。」
「は?何で?」
「聞いたことないから」
「ふーん。」
「でもきっと、私より上手いと思う。私みたいな普通の人にモデル頼んできたから…」
「は?モデル?」
「うん、何でかは分からないけど。」
「何それ、受けたのか?」
そんなん理由なんて1つしか無いだろ…。
「……うん。まだやると決めた訳じゃないけど、勝負しようって言ったの。私が負けたら、モデル引き受けるって条件で。」
「………。」
「勝負に勝てばカメラあげるって言われた……。だから撮ってるの。」
「……物欲に負けたのかよ。」
「!!…そ、そういう訳じゃないけど…、」
「協力してやろーか?」
「え?」
「……勝たせてやるっつってんの!」
「!? ど、どうやって?」
「……俺をモデルにして撮れば?」
「!?」