蒼の世界を探して
「あれ?蒼眞さん?」
「おー、何だ海斗か。久しぶりだな。」
「何やってたんすか?こんなとこで。」
海結と別れた後、砂浜を歩いていたら
海斗に声を掛けられた。
「あー別に何もしてねぇけど、散歩?」
「1人で出歩いちゃまた、逆ナンされますよー?」
「なになに?心配してくれんのか?」
「それで、うちの店引っ張ってきてくれたら、最高っす!」
「んだよ、それ。俺はお前の店のサクラか!」
「蒼眞さんが顔出してくれたのってOPENした時だけじゃないですか!」
「そりゃあお前の店だからなぁー。部外者がほいほい行くもんじゃねぇーだろ?」
「部外者って…」
「そもそもお前で十分、客取れんだろ?」
「いやーまぁ、それはそうなんですけど。」
「否定しねぇのが腹立つな(笑)」
「それはお互い様でしょ?(笑)アイツが遊んでばっかで、全然手伝いに来ねぇから、人手足りないですよね~」
「あ~、まぁアイツはお前と違って自由人だもんな。」
「蒼眞さんからもよろしく言ってやって下さいよ~!」
「今度会ったらな」
……………♪
「悪い、電話だ。……もしもし?」
「…………。」
「家着いたのか?」
「………うん。」
「お前、無言やめろ、怖ぇから」
「……電話そんなにしたことないから…」
「……ふ、はははは。」
蒼眞さんめっちゃ笑ってる…。
誰と話してるんだ??
「……な、笑わないで!!」
「はー、いや悪い悪い。」
「…絶対思ってないでしょ!」
「海結が可愛いなと思って」
「!?!?ふ、ふざけないで!」
「本気だけど?」
「っ!……もう切る…。」
「……わ、悪かったって!じゃ、早く寝ろよー」
「!い、言われなくても寝ます!!」
「……アイツ…切りやがった!」
「蒼眞さん?」
「あぁ、悪いな、電話。」
「それは別に良いですけど…」
「…俺ももう帰るわ。じゃ、海斗も仕事頑張れよ!」
「え?はい!」
蒼眞さんって本当にいつも急だなー。
それにしても電話の相手は一体誰なんだ?
あんな顔してる蒼眞さんは滅多に見た事がない。
彼女とか?いや、でもなぁ…。
何年も彼女居ないの知ってるから、それは違うか?