爽やかくんの為せるワザ



「たまサラ〜」




担当していたコートの試合が終わった頃。

別のコートで試合をしていた桃ちゃんがこちらに向かって歩いて来た。


そんな桃ちゃんに沙羅ちゃんと私は振り返る。




「何それ、タマゴサラダみたいに言うな」


「あ、ほんとだ。たまサラってタマゴサラダみたい。いいね」


「どこもよくねぇよ!
で、何か用があったんじゃねぇの?」


「そうそう。2人共、今週金曜の放課後空いてる?」





桃ちゃんは大きな目をくりっとさせて私と沙羅ちゃんを交互に見た。



……え、今週金曜?

なんだろ。





「私は空いてるよ」


「ん、あたしも別に空いてるけど」


「おー!じゃあさっ、皆でカラオケ行くことになってるんだけど、行かない?」





手を合わせて笑顔を見せる桃ちゃん。

私と沙羅ちゃんはそんな桃ちゃんの言葉を聞いて一瞬だけ目を合わせた。



カラオケ?

〝皆〟って、どのみんな?


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