爽やかくんの為せるワザ
「え、カツくんと藍くん!?」
「ちょっとカツ、勝手に人の家を、」
「いいじゃんいいじゃん、皆で勉強会しよーぜ!」
「声量どうにかしてよカツ。てか、さっきの話聞いてたの?」
「聞こえてしまったな!ちょうど俺らもテスト勉強する話してたからさ、いいだろ?」
「えー、どうする?たまと沙羅」
楽しそうににこにこしているカツくんから視線を外し、呆れた表情の桃ちゃんが私と沙羅ちゃんを見た。
桃ちゃんはカツくんの言いなりになるのが面白くないんだろうか。
でも……。
ちらっと藍くんを見ると、藍くんは私の視線に気付いてにこっと微笑んでくれた。
う、眩しい。
藍くん達と勉強会……楽しそうだなぁ。
「わ、私はいいと思うっ。皆でやった方が楽しいよきっと」
「あたしも賛成ー。あたしと同じくらいの馬鹿がいた方がなんか安心するわ」
沙羅ちゃんが親指でカツくんを指すと、カツくんが「おい、それ俺の事かよ!?」と喚き出す。
「……ま、それもそうか。じゃー5人で勉強会ね」
「よっしゃ!サンキュー!
あ、敬吾も呼ぶわ」
「了解。場所は藍くん家でいいの?大丈夫?」
「あ、うん。全然大丈夫だよ」
「ありがと藍くん」
ぽんっと藍くんの肩を叩いた桃ちゃんと、それに応えるように爽やかな笑顔を見せる藍くん。
急遽、皆で勉強会をすることが決まったわけだけど。
……初、藍くん家だ。