爽やかくんの為せるワザ
――「優陽はどう?学校で上手くやれてるかしら?」
綺麗な白いテーブルを挟んで正面に座る佐賀くんのお母さんは、ティーカップを傾けながら微笑んだ。
入れてくれたミルクティーはすごく美味しくて、既にティーカップには半分くらいしか残っていない。
「……母さん、聞かなくていいよ……」
「あらいいじゃない。あなたの友達からの感想が聞きたいの」
恥ずかしがる佐賀くんを軽くあしらって、佐賀くんのお母さんは再び私の顔を見る。
佐賀くんは諦めたように溜息を漏らしていた。
……確かに押しが強い。
覚悟って、そういうことね。
「えっと、佐賀くんは……すごく頑張ってますっ。皆の為に、たくさん頑張ってくれて……」
「あらぁ。優陽すごいじゃない」
「……」
「文化祭の時もすごく佐賀くんに助けられたんです……!」
「へぇ〜!優陽がねぇ〜」
「……もういいよ僕の話は」
佐賀くんの白い頬が赤く染まっていて、なんだか少し可愛いと思った。
しかし佐賀くんのお母さんは相変わらず、キラキラとした目で私を見つめている。
「で、どうして優陽をミスターコンテストに参加させたのかしら?」
……どうして、か。
それはもう、1つしかない。