爽やかくんの為せるワザ




「佐賀くんの為になればと……思ったんです」


「……へぇ」


「佐賀くんを推薦したのは私の友達なんですけど、佐賀くんってすごく魅力的で……才能もあって努力もしてて……素敵で。

そういう佐賀くんの良さをもっと皆に知ってもらいたくて推薦したんです」






佐賀くんを知れば知るほど、その魅力に惹かれる。


もっとこの佐賀くんの良さを知ってもらいたい。


そして、佐賀くんに自信をつけてもらいたい。



……そうすれば、もっと学校生活が楽しくなるんじゃないかな。






「……素敵、ね」


「すみません、上手く伝えられなくて……」


「いいのよ、十分伝わったわ。

優陽のことそんなに想ってくれてたのね」






目の前の佐賀くんのお母さんはにっこりと笑みを浮かべる。






「好きなのね、優陽のことが」


「…………へ?」


「優陽はそういうの鈍感だから、積極的にアピールした方がいいわよ」


「あ、あの……」


「こんな可愛い子だったら私も大歓迎だわ」





ま、待って?


佐賀くんのお母さん、なんか勘違いしてらっしゃる……?



まさか〝私が佐賀くんのこと好き〟って思われてる!?



ていうか佐賀くん目の前にいるのに、そんなこと言っちゃっていいんですか!?


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