爽やかくんの為せるワザ
「2人ともありがとう……。それから、迷惑掛けてごめんなさい……っ」
私は沙羅ちゃんと桃ちゃんに向き直って、頭を下げた。
今、すごく後悔してる。
でも沙羅ちゃんと桃ちゃんがいなかったら、きっと私はまだ立ち止まったままだった。
気付けたのは、本当に2人のおかげだ。
「こっちこそ、普段は珠姫に助けられてるからな」
「てゆーかたまはもっと私達に甘えていいんだよ。こっちも協力したいんだから」
「……ありがとうっ」
なんて優しいんだろう。
ああ、また……目頭が熱くなる。
こんな優しい友達を持って、私は幸せ者だなぁ。
「明日……藍くんとちゃんと話してみる」
藍くんが話してくれるか分かんないけど、
ちゃんと私から話すべきだよね。
今のままでは絶対駄目だ。
……傷付けた分、ちゃんと藍くんに気持ちを伝えなきゃ。
「おう、頑張れよ」
「藍くんもきっと待っててくれてるよ」
沙羅ちゃんと桃ちゃんの笑顔に安心する。
これからは私が頑張らないと。
受け身になってちゃ駄目だもんね。
勇気を出してくれた藍くんの為に、今私が出来ることをしないと。
……藍くんの気持ちに応えたい。
――そう意気込んだのはいいものの、
事態は悪い方に転がってしまっていました。