爽やかくんの為せるワザ




「……ありがとう。その気持ちがすごく嬉しい」


「……僕は、成瀬さんのこと応援してるよ……っ」



佐賀くんはぐっと拳を握ってみせる。


そんな真っ直ぐな佐賀くんの目を見て、私は救われた気がした。



……こんなにも応援してくれる人がいる。

私の為に何かしたいって言ってくれる人がいる。



……嬉しい。


無駄にしたくない。

応援してくれる皆の気持ちを無駄にしたくない。




「ありがとう佐賀くん……」


「……頑張ってね」




私が微笑むと、佐賀くんも穏やかな笑みを浮かべてくれた。


そしてゆっくりと私の頬を撫でて。




「成瀬さんは……素敵だよ」




そう優しい声で話したのだ。

微笑んだ佐賀くんは私から離れ、階段を上りだす。


私は呆然とその後ろ姿を見送った。



……な、何今の。


なんか雰囲気が……いつもと違ったような。


し、しかも頬撫でられた。

ちょっとだけ……ドキッとしてしまった……。



……応援してくれたんだよね。

私が元気出せるように。



佐賀くんや皆の為にも、頑張ろう。

ちゃんと藍くんの気持ちに応えられるように!



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