爽やかくんの為せるワザ



「私が何人か元カノに聞いてみよっか?藍くんに直接は聞き辛いでしょ?」




桃ちゃんの提案に、私は少しだけ言葉を詰まらせた。


……気になるし、確かに直接聞くのは難しいけど……。

でも、なんか……自分で聞きたいかも。




「だ、大丈夫!タイミングみて私から聞いてみるっ」


「まじ?聞ける?」


「なんとか頑張ってみる!ありがとうっ」




別に事実を聞くんだし、悪いことじゃないんだろうけど。

私はなんとなく、藍くんから聞きたい。


なんかコソコソ嗅ぎ回るっていうのが……後ろめたいっていうか。


真面目過ぎかな……。



「珠姫がそう言うならいいけど。険悪になるなよ」


「な、ならないよ!大丈夫っ」


「2人が喧嘩してるところなんて想像できないね。癒し系カップルだし」


「まあ、心配することはなさそうだな」



あははと笑う桃ちゃんと沙羅ちゃん。


……喧嘩かぁ。

私、お兄ちゃんとも喧嘩ほぼしたことないんだよね。


怒れないというか、すぐ謝っちゃうというか。


藍くんとはするんだろうか。

どんな感じになるんだろう。



……出来ればしたくないな。



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