爽やかくんの為せるワザ
――「たま良かったね!」
カラオケの帰り道。
私は沙羅ちゃんと桃ちゃんに、羽水くんと話したことを伝えた。
桃ちゃんは可愛い笑顔で喜んでくれる。
「私は藍くんとたまお似合いだと思うんだよねー」
「……え、違うって!そういうのじゃないもんっ」
「珠姫よぉ、積極的にいくんじゃねーの?」
ニヤニヤと笑ってくる沙羅ちゃんに、私はなんだか恥ずかしくなってしまう。
「羽水くんは友達になったばっかりだよ!?」
「珠姫が本当に羽水のこと好きになれるかもしれねーじゃん」
……で、でも。
羽水くんには羽水くんの運命の人がいるかもだし……。
「藍くんもさ、たまが運命の人かもしれないじゃん」
「そーそー。運命ってそういうもん」
……あまりにも信じ難いよ。
確かに羽水くんは良い人だけど、もし私が運命の人じゃなかったら……また辛い思いさせてしまうし……。
第一、私もまだ羽水くんのことそういう風に見れてないもん。
「まあまた進展あったらいつでも報告よろ」
「私達全力で応援するから」
キラキラと目を輝かせる2人。
……そう上手くいくかなぁ。