爽やかくんの為せるワザ




「はぁー……こんなに俺が我慢強くないとは」


「へ?」


「珠姫ちゃんのこと大切にしたかったし、もっとこういうのは時間置いておこうと思ってたんだけどね」


「……?」


「珠姫ちゃんが可愛すぎて……我慢出来なかった」




藍くんは片手で顔を覆い隠し、大きく溜息を漏らしている。

ちらりと見える藍くんの耳は真っ赤になっていた。



そんな姿に、私は再びぶわあっと熱くなる。


あ、藍くん……。

それは反則だよ……。




「……は、初めてだよ、私」


「……え」


「き、キス。藍くんが初めて……です」




ファーストキスだ。


私………ファーストキス、藍くんに捧げたんだ。


う、うぅ……思い出すだけで心臓が爆発しそうになる。



そして……めちゃくちゃ嬉しくてにやけそうになる。

ほんとに、夢みたいだ。




「待って……」


「え?」


「ちょっと……今そういうこと言われるとやばい。嬉し過ぎて……また我慢出来なくなりそう」




ひゃ、ひゃあ〜〜!


ほ、ほんとに心臓爆発しちゃうって!



藍くんはいつの間にか食べ終えていたクレープのゴミを手で潰し、平常心を保つ為かそのゴミをじっと見つめだす。


……か、可愛いよ藍くん。

ほんとに動揺する藍くんが新鮮過ぎて……ずっとドキドキしてる。



付き合うだけで、こんなに色んな一面が見れるなんて。


藍くんと付き合えて……本当に良かった。


もっと、もっと……仲良くなりたいな。



私の初めての放課後デートは、とっても甘々なデートになりました。



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