爽やかくんの為せるワザ
「てか他校の奴連れてっていいのかよ。皆知らない奴だぞ」
「いーのいーの。他の子も他校の彼氏彼女同伴OKって言ってるから、何人かそういう子来るんじゃないかな。
一応人数は22日に締め切りますので、それまでに連絡よろしく」
「……まあそういうことなら。大地に聞いてみるわ」
「ありがとー」
……おお、大地くんも来るのかな。
すごい、なんか既にもうワクワクする。
久しぶりに大地くんと会えるの嬉しいなぁ。
沙羅ちゃん大好きさんだから、すごく見てて微笑ましいんだよね。
「じゃあ皆24日は空けててね。愛里にも伝えとくから」
「うん、ありがとう桃ちゃん!」
皆の為に張り切る桃ちゃんがすごく生き生きしてる。
いつもありがとうね、桃ちゃん。
早く桃ちゃんにも素敵な人が現れると良いなぁ。
「よーし、じゃあ今日はそろそろ帰ろうぜ」
手を叩いてそう言い出したのはカツくんだった。
その言葉をきっかけに、藍くん以外の皆もノート類を片付けだす。
藍くんの家っていうだけで緊張してたけど、割と捗ったかも。
「あ、たまはまだ勉強するんだよね?」
「……へ?」
筆箱を片付けようとしていた私の手を止めて、桃ちゃんが私の顔を覗き込む。
私は訳が分からずきょとんとそんな桃ちゃんを見つめた。
……私、そんなこと言ってたっけ?
「俺らは先に帰るからな。藍、あとはたまちゃんと2人で仲良くしてって」
「……あ、はい」
カツくんの言葉に、藍くんも少しだけきょとんとしている。
しかし何かを察したのか、すぐに爽やかな笑顔に戻った。