爽やかくんの為せるワザ
期末テスト最終日。
「今回はヤマが当たったわ」
満足気に笑う沙羅ちゃんを見て、私も微笑んだ。
前回は全然だったって言ってたもんね。
良かった。
「お疲れ様、沙羅ちゃん」
「はぁ、まじで珠姫は癒しだわ。ありがと」
「やー、無事テスト終わって良かった良かった。じゃ、次は球技大会だね」
掃除を終えた桃ちゃんは、廊下で待っていた私達の所へ戻って来るなりそう言ってみせた。
あ、そっか球技大会あるんだった。
「掃除お疲れ様、桃ちゃん」
「ん〜たまありがとっ」
「球技大会の存在忘れてたわ。今回は何やんの?」
沙羅ちゃんが桃ちゃんに尋ねると、桃ちゃんは「今回は楽しいよ」とブイサインを作る。
「ドッジボール。しかも全学年」
へぇ……!
ドッジボールなんだ!
あ、そっか。
だから前藍くん体育委員で集まってたのか。
球技大会の打ち合わせだったんだ。
「おぉーいいじゃん」
「沙羅めちゃくちゃドッジ得意そう」
「当たりめーだろ。ぶっ殺す勢いで投げっから。まあその分怖がられてたけどな」
「わぁ、楽しみだね!」
沙羅ちゃんいるし、うちのクラス強そうだなぁ。
私は逃げるので精一杯だけど。
ドッジボールなんて中学ぶりかも。
「高校でやるドッジもいいよね」
「うんっ、皆参加できるし!」
確かに、と桃ちゃんは私の頭を撫でてくれた。
はっ、てことは私達のクラスと藍くん達のクラスも戦うってことか。
……藍くん達も頑張って欲しいけど、うちのクラスも負けたくないなぁ。
ここは自分のクラスを応援しなきゃだよね。