爽やかくんの為せるワザ
そうして実行委員が決まったので、次はクラスの出し物を決めることに。
ここからは実行委員2人が進行するらしい。
「普通にやりたいもん挙手で言ってく?」
「だね。やれるやれない関係なく、まず案10個以上出るまで皆思いつくやつ言ってってよ」
敬吾くんと桃ちゃんが皆に呼び掛ける。
テキパキと進行をする2人に、私は1人で感動していた。
私じゃおどおどしてあんなスムーズに出来ない……。
すごいなぁ。
「お化け屋敷!」
「定番の喫茶店〜」
「人手少なくてもいける楽なフリーマーケット」
「たこ焼きとか?」
「人間版猫カフェなんてどう?」
「願望はメイド喫茶」
「腕自慢みたいなやつ!」
「教室で脱出ゲームとか」
次々と案が出され、敬吾くんは慌てて黒板に書いていく。
一気にもうこれだけ出てる。
どれも面白そうだし、皆さすがだ。
私は皆と楽しく出来るならどれになっても頑張りたい!
「……っ」
と、そこで。
ぴしっと無言で上げられた手に皆の視線が集まる。
手を上げていたのは、クラスの女子委員長である佐藤真紀さんだった。
私を含め、その意外さに一瞬クラスが静まり返る。
「…あ、委員長どうぞ」
桃ちゃんが委員長を促すと、委員長はその場でガタッと立ち上がった。
「私……〝男女逆転カフェ〟がしたいです……!」
迫力のある委員長の声と表情に、一同がざわついた。