爽やかくんの為せるワザ



「変な質問してごめんね」


「い、いや……全然……」


「なんかこう、「あ!可愛い」みたいになる瞬間?っていうか。理性を失うほどの魅力って、男の子はどんな時に感じるのかなって」


「……理性を失う……って……」




目をキョロキョロと泳がせて顔を赤くさせる佐賀くん。

絵に描いたような動揺ですね。



……私も更に恥ずかしくなってきたよ。

佐賀くんになんてこと聞いてんのっていう。


でも、気になるの。

今後藍くんに飽きられたりしないような、魅力のある女性になる為の知識として!


恋愛経験ゼロな私の勉強の一環として……!




「……か、可愛いって……感じた時とか?」


「ふむふむ!」


「素敵な笑顔とか……見れるとときめいたりするんじゃないかな……多分」


「笑顔かぁ、なるほど」


「あとは……」




佐賀くんは私の目を見たまま、言葉を続けず少しだけ黙った。


……?

あれ?〝あとは〟?




「……そうやって、話してる時に真っ直ぐ人の目を見てくれる所……とか。

すごく良いと思う……」




言い終わった佐賀くんは、私から視線を逸らさない。

私もなぜか佐賀くんから目を逸らせなかった。



…………え?

あれ……?


今なんの話ししてたっけ……??




「……えーと?」


「……ご、ごめん。なんでもない……」


「……?」



遂に私から顔を逸らして俯いた佐賀くんを、私はぼーっと目で追った。



なんか、さっきのは具体的だったけど……

男の子ってそういうので愛しさ感じるものなのかな。


私には未知の領域だ。



でも、佐賀くんちゃんと答えてくれた。

私のこんな変な質問に。


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