爽やかくんの為せるワザ
「佐賀くんありがとう!勉強になりました!」
「え……今ので大丈夫……?」
「うん!あ、でももう1つ聞いてもいい?」
「……何?」
「佐賀くんは女の子になんて言われたら嬉しい?」
再び佐賀くんの顔はかあっと赤くなっていく。
そしてさっきよりも深く俯いた。
「…………お」
「お?」
「……〝男らしい〟……とか」
耐えられなかったのか、佐賀くんは遂に手で顔を覆い隠してしまった。
耳まで赤くなった佐賀くんの白い肌。
ほんとに照れは伝染する……。
でも、〝男らしい〟か。
確かに、女の子も〝女の子らしい〟って言われたら嬉しいもんね。
男の子も同じなんだ。
……よし。
「佐賀くん、私に「力になる」って言ってくれたことあったよね?
その時の佐賀くん、すごく男らしかったよ」
「なっ……」
真っ赤なリンゴみたいになる佐賀くんに、私はえへへと笑ってブイサインを送った。
お礼も兼ねて言ってみちゃった。
でも、本音だし。
ほんとに嬉しかったんだよ、佐賀くん。
「……な、成瀬さんって……意外とSなの……?」
「えっ!?ち、違う違う!」
まさかそういう風に捉えられるとは!
は、恥ずかしいっ。
意地悪したって思われちゃったかな!?
うう、自爆した……。
「と、とにかくありがとうね!参考にさせてもらいますっ」
「それで……成瀬さんの役に立てたなら良かったけど……」
「立ってるよ!あ、ていうか部活の邪魔してごめんなさいっ」
すごく今更だけど、今佐賀くんは部活中だったよね!?