爽やかくんの為せるワザ
「……私、正直カツのことそういう風に見たことないよ」
これは本音。
何か言葉を考えながら言おうとしたけど、でもちゃんと伝わらない気がして正直に話すことにした。
カツは傷つくかもしれないけど、きっとカツもそのつもりだろうなって。
彼氏作らないって言い続けてきた私に告白したってことは、そういうことだろうな。
「ああ、分かってる」
「……」
「でも付き合いたい。好きじゃなくてもいいから、ちょっとでも俺と付き合う気があるなら受け入れてくれ。
その代わり、絶っっっ対幸せにしてみせるから!」
廊下に響くカツの大きな声が頭の中にこだました。
恥ずかしいくらいの真っ直ぐな気持ちに、思わず顔が熱くなる。
高校生になってこんなこと言えるの、私の周りじゃ多分カツくらいだよ。
……なんなの、ほんと。
「……まあ、私もさ……
カツのことかっこいいなと思う時もあるんだよ」
今も。
「なんか……今まで彼氏作りたいとは思わなかったんだけど、
もし作るなら、カツくらい気の許せる人じゃないと嫌かなって思ったわ」
全部本音。
今まで自分が恋愛をする姿なんて考えずに、ただ友達と楽しく過ごせればそれでいいと思ってた。
自分の都合で友達との時間を失うくらいなら、今はいらないって。
でもカツだったら、
こんな私のことも理解してくれる。
こんなワガママな私のことも、好きでいてくれてた。
……こんな良い奴いないよね。