爽やかくんの為せるワザ
「……えっ、それって……」
目を見開いて呆然と立ち尽くすカツを見て、思わず吹き出した。
さっきまでのかっこよさどこいった。
「そんなすぐに距離感とか変わるわけじゃないと思うけど、とりあえずよろしく」
「お、OKってことかぁ!?」
「あはは、うるさ。
そうだよ」
その瞬間、カツはぐっとガッツポーズを作って「よっしゃあああああ」と耳を塞ぎたくなるほど大きな声で叫んだ。
喜ぶカツの目が潤んでいるのに気が付いたけど、いじるのはやめといた。
「ありがとう緒方!!」
「うん、こっちこそありがと」
まさかカツと付き合うことになるなんて、多分私が1番意外に思ってる。
どうなるんだろこの先。
予想つかな過ぎて、ちょっとわくわくするかも。
「てか私、カツはたまみたいな子がタイプなんだと思ってた」
「え?まじ?」
「だってたまのことはあだ名で呼ぶし、いっつも可愛い可愛い言うからさ」
「いやっそれは……普通に可愛いと思ったからさ。確かにああいう子はタイプだけどよ」
「だからまさか私のこと好きだなんて、思ってもなかったよ」
でも、なんでだろ。
そう考えると、ちょっとだけ安心してる自分もいる気がする。
カツがたまのこと好きじゃないことが。
まあたまは藍くんと上手くいってたから邪魔して欲しくないって感じだったんだろうけど。
……まあなんせ、
よろしくね、カツ。