爽やかくんの為せるワザ





「あ、来た来た」




村本さん家の扉が開かれ、中から私服の桃ちゃんが出てきた。

私服姿が可愛過ぎて思わず見とれてしまう。




「やっほー皆」


「桃ちゃんお待たせ!」


「桃、こいつが大地」


「こんちわ!いつも沙羅がお世話になってます!今日はお招き頂き光栄です!」


「わー、元気だねぇ。桃です、よろしくね」




ちゃっと敬礼を交わす大地くんと桃ちゃんを見て、なんだか和んだ。


そして桃ちゃんは私達を家に入るように促す。




「もう藍くん達来てるよ」


「あ、そうなんだ」




玄関に入ると、部屋の奥からはがやがやと皆の声が聞こえてきた。

ワクワクすると同時に、ちょっと緊張する。


いっぱい人が集まってる所に後から入るのってちょっとドキドキするかも。



靴を脱いだ後、桃ちゃんに促されるがままに広間へ入った。


既にかなりの人数が集まっていて、楽しそうな会話が飛び交っている。

と、そこで「あ!」と鼓膜を振動する大きな声が。




「成瀬と足立来た!!」


「敬吾くん!」


「って、もしかしてその人が足立の彼氏!?」


「そうでーす!沙羅の彼氏の大地です!」




敬吾くんの声と大地くんの声が部屋中に響き渡る。


近くにいた数人は笑いながら耳を塞いでいて。

沙羅ちゃんが「ボリューム考えろ!」と2人にチョップをかました。



敬吾くんと大地くんってちょっと似てるかも。


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