爽やかくんの為せるワザ



「そういえば珠姫、羽水とは連絡先とか交換したんか?」




ふと、そんなことを聞いてきた沙羅ちゃん。



……そういえば、してないな。





「ううん」


「かー、何やってんだよ。積極的に行けっつの!」




むんっと腕を組む沙羅ちゃんに、私はぶんぶんと首を振った。





「じ、自分から連絡先とか聞けないよ!聞いたことないもん!」


「なんで」


「……も、もし相手が嫌な思いしたら、とか考えちゃって……」


「アホか!友達なら普通に連絡先くらい聞くだろ!嫌な思いするなら相手も断るって!」





うぅ。

た、確かに。


……私は消極的すぎるのか。





「羽水も珠姫に連絡先聞いとけよなー」


「え?」


「男こそもっとガツガツ行かねーと珠姫を落とせないっつってんの」


「う、羽水くんはそんなつもりないと思うよ!?」




どうして沙羅ちゃんはすぐそうやって考えちゃうの!?


まだ友達になったばっかりだってば……!



……まあ、羽水くんはすごく良い人だと思うけど。


< 27 / 311 >

この作品をシェア

pagetop