爽やかくんの為せるワザ
「そういえば珠姫、羽水とは連絡先とか交換したんか?」
ふと、そんなことを聞いてきた沙羅ちゃん。
……そういえば、してないな。
「ううん」
「かー、何やってんだよ。積極的に行けっつの!」
むんっと腕を組む沙羅ちゃんに、私はぶんぶんと首を振った。
「じ、自分から連絡先とか聞けないよ!聞いたことないもん!」
「なんで」
「……も、もし相手が嫌な思いしたら、とか考えちゃって……」
「アホか!友達なら普通に連絡先くらい聞くだろ!嫌な思いするなら相手も断るって!」
うぅ。
た、確かに。
……私は消極的すぎるのか。
「羽水も珠姫に連絡先聞いとけよなー」
「え?」
「男こそもっとガツガツ行かねーと珠姫を落とせないっつってんの」
「う、羽水くんはそんなつもりないと思うよ!?」
どうして沙羅ちゃんはすぐそうやって考えちゃうの!?
まだ友達になったばっかりだってば……!
……まあ、羽水くんはすごく良い人だと思うけど。