爽やかくんの為せるワザ




「ごめん……藍くんが言いにくいこと聞いちゃって……」


「え、いやいや珠姫ちゃんが謝ることないよ。逆に嫌な気持ちにさせちゃってたらごめんね」




うっ……優しい。

藍くんこそ謝ることないのに。




「明日は目いっぱい楽しもう!それで1番のクリスマスの思い出作ろうっ」


「……うん、そうだね」




ありがとう、と呟くように言って藍くんはまた優しく微笑んでくれた。


藍くんと行けるってだけで既にクリスマスの幸せ記録は更新されてるけど。


何をするにしても、ずっと更新し続けられたらいいな。

藍くんとならなんでも楽しめそうな気がするもん。




「珠姫ちゃんの癒しパワーは絶大だね」


「……へ!?ど、どういうこと?」


「珠姫ちゃんと話してると心が浄化される感覚になる」


「え……それは藍くんもだよ!藍くんの方が癒しパワー絶大!」


「あはは、そうかな。皆が俺達のこと〝癒しカップル〟って言ってる意味が分かった気がする」


「確かによく言われる……。マイナスイオン出てる、とか」


「言われるねー」




あははと笑い合う私達の声が、少しだけ夜道に響く。


握った手が温かくて、すごく心地が良い。


この時間……好きだなぁ。



これから、2人で過ごす時間がもっと増えていくんだろうな。

来年は受験生だけど、私と藍くんなら何があっても支え合って乗り越えていけそうな気がする。


こんな風に思える人に出会えて、私ってほんとに幸せ者だよね。


ちゃんとそれを噛み締めて、大切にする。


藍くんと幸せな未来を築きたい。


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