爽やかくんの為せるワザ
1人の男
* * *
時は遡って、ある日の休み時間。
「藍ってたまちゃんとどこまでいった?」
飲んでいたお茶を吹きかけた。
……何、突然。
「……はい?」
「気になる。ほのぼのカップルの進捗状況」
「進捗状況て……」
参ったな。
こういうのって恥ずかしいし、なんか珠姫ちゃんにも悪い気がする。
でも、隠すようなことでもない……か。
カツだし。
「……カツが思ってるほど進んではないと思う」
「え。キスは?した?」
「……した」
「ほーん……ってことは〝キスまで〟ってことか」
「……」
静かに頷くと、カツは「まあそうだよな〜」とニヤニヤしながら腕を組んだ。
何が普通でどこまでがやり過ぎなのか俺にはよく分からない。
所詮、俺の物差しでしか計れない。
「ラブラブだからてっきりもう次のステップにいってんのかと思ってた。ほら、前の勉強会で俺らが帰った後とか」
「……そんなわけないよ」
「なんで?したくなんないの?」
「ねぇカツ、直球過ぎない?」
「いーじゃんいーじゃん。藍のこういう話って超貴重」
半分面白がってるな。
でも、俺もカツにだったら話してしまうところはある。
頼りになるし。