爽やかくんの為せるワザ




メインとなる街路樹と公園ではこれでもかってくらい素敵なイルミネーションが施されていた。

キラキラと眩しいカラフルな光が夢見心地にさせてくれる。



すごい……。




「……綺麗」


「ね。毎年ちょっとずつ進化してるらしいよ」


「へぇ……!」


「珠姫ちゃんと見に来れて良かった」




私はイルミネーションを眺める藍くんの横顔を見つめる。



藍くん……。

そんなの、私もだよ。


私も藍くんとこうしてクリスマスデートできて……すごく嬉しい。




「あ、珠姫じゃん」




と、そこへ聞き慣れたハスキーボイスが。


振り返ると、なんと沙羅ちゃん大地くんカップルが手を振りながらこちらに歩いて来ていた。




「え!沙羅ちゃん達も来てたんだ!」


「大地が毎年行きたがるからな」


「沙羅にこの素晴らしい景色を毎年見て欲しいからな!」


「あはは、仲良いねぇ」


「珠姫も羽水と来てたんだな。なんだよお前ら、すっかりカップルじゃねーか」




沙羅ちゃんは腕を組む私達を見てにやにやと笑った。


さ、沙羅ちゃん……!



「もうっ、照れるでしょ……!?」


「ぷっ、珠姫顔真っ赤〜」




頬を膨らませると、沙羅ちゃんはにやにやしたまま私の頬をつついてきた。


と、その時。




「え、ちょっとちょっと、皆いるじゃん」




そんな声が聞こえたかと思うと、向こうから2人の男女が歩いて来た。

……なんと桃ちゃんカツくんカップルだった。



う、うそ……すご過ぎない?


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