爽やかくんの為せるワザ




「俺も珠姫ちゃんにプレゼントあるんだけど、その前にさ」


「?」


「母さんが俺らにケーキ買ってくれてるんだよね。だから俺の家に行かない?」


「……えっ」



ケーキを?

藍くんのお母さんが私達の為に?




「そうだったんだ!?……行きます!
えぇっと、じゃあ何か手土産買って行きたい!」


「あはは、いいよそんな気遣わなくて。両親も出掛けてて家いないし」




え。


……ってことは、

またお家に2人っきり……?



はっ、駄目駄目。

よこしまな考えは捨てるって決めたばかりじゃないか。


藍くんはただケーキの為にこう言ってくれてるだけ。うん。

他意はない!




「そ、そうなんだー!マックスは?」


「いるよ。珠姫ちゃんに会えばすごく喜ぶと思う」




……か……可愛いっ。

マックスの可愛さは偉大過ぎる……。




「冷えてきたし、家でゆっくりプレゼント交換しよう」


「……うん!そうだねっ」




そうして私達はイルミネーションを引き続き楽しみながら駅へ引き返し始めた。




〝……襲わないよ〟




今日はお泊まりもしないし、何もないことは分かってる。


だから私は何も気にせず、最後までクリスマスを藍くんと楽しむことだけ考えてればいいんだ。



あぁ、早くプレゼント渡したいな。

ケーキも食べれちゃうなんて……ほんとに贅沢。


今度お邪魔する時は絶対手土産持って行こっ。



< 290 / 311 >

この作品をシェア

pagetop