爽やかくんの為せるワザ






――藍くんの家に到着すると、玄関までマックスがしっぽを振りながら出迎えてくれた。



「マックス〜!お邪魔します〜!」


「あはは、この子珠姫ちゃんが大好きみたいだね」


「覚えてくれてるのかな……?」


「うん。だってこんなに嬉しそう」




藍くんがマックスを撫でると、マックスは嬉しそうに手をペロペロ舐めた。


覚えくれてたら、嬉しいな。

あぁ可愛い……ほんとにマックスは可愛いなぁ。




「じゃあ早速ケーキ食べよっか」


「うん!」




そうして私達は手洗いをして2階へ上がる。

藍くんお母さんが買って下さったケーキとジュースを持って。


いそいそとケーキの箱を開けると、中からは可愛らしいクリスマスケーキが!

ちゃんとサンタさんのマジパンも乗ってる!




「わぁ、美味しそ〜!」


「まさかのホール……。ごめん、ちょっとナイフ取ってくる」


「あっ、ごめんね。ありがとうっ」




藍くんはそのまま部屋を出て行った。


すごいな……ホールケーキを買って下さってたなんて。

すごく美味しそうだし、ありがたく頂こう……。



私は藍くんを待つ間、きょろっと軽く部屋を見渡してみた。

シンプルで清潔感のある部屋はすごく藍くんらしい。


なんとなく、カーテンとかベッドとか青系統の色が多い感じ。

まさに藍くんだ。(?)



……私、ここ来てからずっとドキドキしてる。

いや今日1日ずっとしてるけども。


〝何かあるかも〟って期待とかしてるわけじゃなくて、

藍くんとする会話とか、さり気ない優しさとか、

あぁ、付き合ってるんだなぁって……改めて実感できて。


当たり前のように家に入れてくれる感じが、すごく嬉しくてドキドキする。


< 291 / 311 >

この作品をシェア

pagetop