爽やかくんの為せるワザ
確かに、自分に色気がないからかもって考えちゃったけど……。
でもそれは私のネガティブ思想からであって。
藍くんが謝ることなんて何もないのに。
「ありがとう藍くん……。でも、藍くんが私の為を想って言ってくれてるって分かってるから、謝らなくていいんだよっ」
「……珠姫ちゃん」
「私こそ、あんな変な質問しちゃってごめんね……。藍くんを困らせるって分かってたのに……聞いちゃった」
「いや、それは全然いいんだよ。むしろ……」
そこまで言って、藍くんは口ごもった。
手で口を押さえて、照れるように顔を逸らす。
……?
「俺達さ、お互い考えてることを遠慮せずに言い合った方が良い気がする」
「……確かに……」
「なんか引かれるかもって考えてることこそ空回りしてるよね。
俺も珠姫ちゃんになら何言われても引かない自信あるし」
いつもの眩しい藍くんの笑顔を見て、私は心から安心できた。
……嬉しい。
藍くんに受け入れてもらえてるんだって、実感できる。
やっぱり、私達は似ている。
自分で言うのもなんだけど、かなりお似合いな気がするんだよね。
ここまでくると。
「えへへ」
「あ、照れてる」
「はっ……!だ、だって藍くんが嬉しいこと言ってくれるから……」
「珠姫ちゃんが俺に言ってくれたことだよ。俺もそのくらい嬉しかったんだ」
「〜〜っ」
「あはは、真っ赤になっちゃった」
よしよしと私を抱き寄せて頭を撫でてくれる藍くんに、更に体の熱が上がった。
うぅ……、私はいつまでも慣れない。