爽やかくんの為せるワザ

「告白して……今みたいに仲良く話せたり出来なくなるんだったら怖すぎるなぁって」


「まあ、それは皆思うわな」


「上手くいく保証もないし、それならしない方がいい気がする」


「敬吾が珍しくまともなこと言ってる」
「あのクソバカ敬吾がな」
「ちょ、2人とも！」




あの花恋ちゃんと仲良くさせてもらってること自体が奇跡みたいなもんで。

それを自ら壊すようなこと……出来ない。


そんな勇気ねぇよーー。




「じゃあ敬吾は北河に彼氏ができても応援できるってこと？」




羽水の言葉に、ピタッと体の動きが止まる。




「……えっと……」


「告白しないなら、北河に敬吾の想いが届くこともないだろうしさ。
でも北河のこと好きな他の男子は告白する可能性あるよね？」


「……うん」




羽水の声は優しいのに、その言葉でズキズキと胸が痛む。


……変な感覚だ。




「羽水の言う通りだわ。花恋チャンが誰かと付き合うのを、告白もしないお前に止める権利なんて更々ないからな」


「うっ……足立はもっと羽水みたいに優しく言えないのかぁ……？」


「うっせぇな、こっちは事実を言ってんだ。むしろ感謝しろ」


「厳しいなぁ！？」




ズキズキと胸が痛い。

羽水と足立の言う通り過ぎて、何も言い返せない。


確かに、こんな俺には花恋ちゃんの恋愛に口出しできるはずがないんだ。