爽やかくんの為せるワザ
お兄ちゃんはこう見えて、かなりのシスコンだったりする。
さっきだって、きっと冗談じゃなく「私もネックレス欲しい」って言ったら本当に買ってくれてたと思う。
私が帰り遅くなる時とか、すぐメッセージくれたり電話してくれたり、ある時は迎えに来てくれたり。
シスコンって言うより、心配性なのかな。
でも甘やかし過ぎだとは思うんだけどね。
「じゃあ14時に家出ようか!」
「分かった。すまんな」
プリンのカップとスプーンを台所に持って行きながら、お兄ちゃんは少しだけ嬉しそうに表情を緩めた。
……彼女さんもお兄ちゃんからすごく心配されてそうだなぁ。
私でこんなんだから、彼女さんはもっとすごそう。
「ほら、珠姫の」
すると、不意にお兄ちゃんは私の目の前にプリンとスプーンを置いてきた。
あ……私の分?
「ありがとう……私何も言ってないのに…」
「美味かったから珠姫も食え」
足りなかったらまだ3つあるからな。とお兄ちゃんは冷蔵庫からプリンを3つ出して見せる。
み、3つも……?
一体何個買ってたんだろう……。
ていうかそんなに食べきれないってば!