爽やかくんの為せるワザ





   *   *   *




人が多く行き交う駅前の中心街。

日曜日の午後、1番人が多くなる時間帯でのこと。




「敬吾の女装なんて需要無さすぎじゃね?」


「うるせぇなー!カツの女装だって絶対きめぇし!」




賑やかな男子グループがわらわらと中心街を進んでいた。


彼らはこれからゲームセンターへ暇を潰しに行くのだ。




「俺的にはあの佐賀くんが1番女装似合うと思うんだよ」




そんなカツの言葉に、一同がどよめく。

「佐賀って3組の?」という声にもカツはすんなり頷いてみせた。




「確かに……顔は綺麗かもな」


「だろ?完成度によっては、まじで女だと勘違いする奴いそうじゃね?」


「カツやけに佐賀のこと推すじゃん。惚れてんの?」


「アホか!俺は2回転生しても女の子が好きだわ!」


「意味わかんねぇよ」




くだらない会話を楽しそうに交えている男連中は、極力道に広がり過ぎないようにして歩いていく。



カツのグループは、休日はいつもこうしてダラダラと過ごしている。

彼ら曰くそれが1番楽しいそうで。


たまに公園でスポーツを嗜むことも。



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