爽やかくんの為せるワザ
「だよね〜!なんか、『僕って可愛い?』って言われたい!潤んだ目で!」
「最高です…!」
盛り上がる2人を、私は呆然と眺める。
……びっくりだ。
まさか私がそんな風に言ってもらえるなんて……。
正直、嬉しい。
「え、えっと……ありがとう?」
「どういたしまして!!あ〜可愛いー!!」
ぎゅーっと三田さんに抱き締められ、私は硬直してしまう。
桃ちゃん以外の人にこんな風に抱き締められたことないから、どうしていいのか分からない。
ただ、自分の顔がとても熱くなっているのは実感している。
「おーい珠姫。羽水達来たぞ」
と、そこへホールから沙羅ちゃんが戻って来た。
そして抱き締められる私の姿を見て、「あ?」と怪訝そうな表情を浮かべる。
「おいなんで珠姫のこと抱き締めてんだよ」
「可愛くてつい」
「ほら珠姫行くぞ」
私の腕を引く沙羅ちゃん。
「ヤキモチ妬いて連れ出すイケメン…」という委員長の言葉を背中に、私は沙羅ちゃんと一緒にホールへ出た。