爽やかくんの為せるワザ
「ぶっはー!敬吾やっぱ似合わねー!」
ホールに出ると、聞き慣れた大きな声が聞こえてくる。
そちらに目を向けると、教室のドア付近で立っているカツくんと藍くん達が目に入った。
周りのお客さんはそんな彼らの様子を傍観し、クスクスと笑っている。
「これでもクオリティ上げてもらったんだぞ!」
「足がごついんだよ敬吾はさ〜」
「サッカーやってるからね」
喚く敬吾くんと、そんな敬吾くんを見て笑うカツくんと藍くん。
なんだか楽しそうだ。
「カツうるさい。他の客に迷惑」
「いてっ、なんで俺だけ叩かれる!?」
そんなカツくんにチョップを食らわしたのは桃ちゃんだった。
頭を押さえてカツくんは桃ちゃんを見上げるが、桃ちゃんは「声がでかいって言ってんの」と冷静に振る舞う。
「……クオリティ高いね、このカフェ」
店内を見渡すように眺めて、小さく呟いたのは藍くんで。
そんな藍くんと目が合った。
「わっ、珠姫ちゃん!?」
「うん、来てくれてありがとう皆!」
「やばいね……イケメンだ」
「す、すげぇ!緒方もすげぇと思ったけど、足立もたまちゃんもクオリティ高過ぎだろ!」
驚いた表情で藍くんやカツくん達は私達3人を見回す。
近くから「キャー!」「イケメン!」という黄色い歓声が聞こえてきて、すごく恥ずかしくなってきた。