爽やかくんの為せるワザ
お、お兄ちゃん!
もう来てくれたんだ!?
「誰だこいつら」
ずんずん店内に入って来てそんな言葉を放ってしまうお兄ちゃんは、私の周りの男の子達を睨み警戒しまくっている。
お兄ちゃんに続いて店内に入って来たのは、彼女さんの愛美さんだった。
愛美さん……やっぱりすごく可愛い。
って、今はそれどころじゃなかった!
「こ、こいつらって……!やめてよお兄ちゃん、友達だよ!」
「え、その人たまちゃんのお兄さん!?」
「すげぇ、イケメンじゃん」
「たまのお兄さん来てくれたんだ〜」
「珠姫、男装しても可愛いな」
「は、恥ずかしいってば!皆の前で何言ってるの!」
皆が騒ぐのをガン無視するお兄ちゃん。
藍くん達にも迷惑掛けちゃう……。
タイミング悪いなぁ……。
そんなやり取りを愛美さんは微笑ましく眺めている。
「お兄ちゃん、満席なんだからちゃんと順番待ちしてね!」
「珠姫のこと狙ってる奴はいるのか」
ギロっと睨むように藍くん達を見回すお兄ちゃん。
な、なんてこと聞いてるの!?
無茶苦茶だよお兄ちゃん!
「あ、お兄さん。この人妹さんと仲良いですよ」
にやにやと笑いながら藍くんを手で指したのはカツくんだった。
た、確かに仲は良いけど!
カツくんも言わなくていいのに……!