爽やかくんの為せるワザ
――「キャーーー!!」
真っ暗闇に響く女の子達の悲鳴。
そんな悲鳴に私の肩は少しだけ跳ね上がる。
「び、びっくりした……」
「珠姫はまじビビりだなぁ。お化けじゃなくて悲鳴にビビんのかよ」
「だって普通にびっくりしない!?」
「まあね。でもたまみたいにそこまで驚かないよ」
現在、私達3人は1組のお化け屋敷に来ています。
先に入った女の子達が出てくるまで、私達は入口を入ってすぐの待機ルームで待機している。
1組のお化け屋敷はなかなか雰囲気があり、出て行く人達は皆「怖過ぎた」と口を揃える程。
カツくんがあれだけ自信満々にアピールしてたし、私達の期待はどんどん膨らんでいくのだ。
「でもあたしら別にお化け平気だから余裕だな。
珠姫がビビりってだけで」
「確かにね。怖がらなかったらカツ怒りそう」
「……急に来られるとどうしても驚いちゃうんだよね」
「よし、じゃあ珠姫先頭で」
「……え!?」
「賛成。よろしくたま」
も、桃ちゃんまで!?
……う、嘘でしょ。
怖いというか、心臓に悪いよ……。
びっくり系が少ないといいなぁ……。