爽やかくんの為せるワザ
そしてとうとう、私達の順番が回って来た。
髪が長く白い服を着た人が扉を開けてくれて、私達はその扉をくぐっていく。
扉が閉められると、そこはもう真っ暗で。
足元にほんの少し青白い光が見える。
どうやらドクロをモチーフにしたライトのようだ。
ドキドキしながら先頭を歩いて進んで行くと、
「オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!」
低い唸り声と共に横から皮膚がただれた男の人が襲い掛かって来た。
びっくりして足が止まってしまい、後ろの2人が私の背中にぶつかってくる。
「うわっ、珠姫!?」
「ちょちょ、お化け来るって」
沙羅ちゃんと桃ちゃんが私の背中を押してお化けから逃げようとする。
私も慌てて走り出すが、何かにつまずいてダイナミックに転んでしまった。
頭上ではバタバタ走る足音と、お化けの呻き声が聞こえていて。
それはどんどん遠ざかっていってしまった。
……い、痛い。
何につまずいちゃったんだろう……。
体を起こしてちらりと足元を見てみる。
「グウゥ……」
そこには頭の皮がべろりとめくれたお化けが、頭を抱えて倒れていた。