爽やかくんの為せるワザ
じっくりゆっくり進んで行くが、一向に出口が見えてこない。
まあこのスピードならまだ半分も行ってないのかもしれないけど。
そういえばさっき倒れてたお化け、頭抱えてたけどもしかしたら私が頭につまずいちゃって痛がってたのかな。
なんてそんなことを少し心配になりだした頃。
「あはははははは!!」
突然大きな甲高い笑い声と共に、頭上から女性の人形が垂れ下がってきた。
当然、そんな突然の出来事に私の心臓は一瞬止まりかけ、とてつもなく驚いてしまう。
「きゃああ!」
思わず叫んだ拍子に、その場で尻餅をついてしまった。
こ、怖い!
駄目だ!怖いよ!
こんなの1人で進めないよ!
沙羅ちゃん桃ちゃんどこ行っちゃったの……!?
私はばくばくと暴れる心臓を抑えるように、胸元の服を掴んだ。
しかし、頭上にでろーんと垂れ下がったままの人形に見られてる気がして、どうにも落ち着かない。
早くこの場を離れなければ。
そう思いながら立ち上がろうとしたその時。
……え、立てない?