爽やかくんの為せるワザ




それからコンテストは進んでいき、10名の自己紹介のコーナーとなった。




「それでは参加者の皆様、順番に自己紹介をして頂きます!
まず始めは、去年優勝した3年の須藤尚也さん!」


「えー、須藤尚也です。2連覇かかってるんで、まあ投票してね。ちなみに今フリーだから彼女大募集中〜」




いつもの軽いノリで簡単に自己紹介を済ませてしまう須藤。

グラウンドからは「キャー!」という黄色い歓声が上がった。


文句無しのイケメンの上にこの軽いノリときたもので、同学年や後輩関わらず女子人気が高いのだ。



そして続々と自己紹介は進んでいく。



「北河花恋です。ちょっと緊張するけど、優勝目指して頑張ってます!」



女子や男子の大歓声が上がる花恋。



「羽水藍です。こういうの慣れてないんですけど……俺に投票して下さってありがとうございます」



藍くーん!羽水〜!とこちらも人気が高い様子の羽水。



「緒方桃です。ここに残れてることにびっくりしてます。よくやってくれたぜ、生徒会〜」



生徒会を覗くように言った桃に、会場からは笑いと拍手が起きる。

副会長含む生徒会のメンバーはにこにこと笑い返した。



「……さ、佐賀優陽……です。…………よろしくお願いします……」



ギリギリ聞こえる音量でマイクに向かって話す佐賀。

しかし、会場は静まり返るどころかざわざわと騒ぎ出したのだ。




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