爽やかくんの為せるワザ
* * *
「――お待たせ致しました。ただ今集計が終わりました」
再びわーっと盛り上がる会場。
どうなるか分からない今回のコンテストに、会場にいる全員がわくわくと胸を踊らせている。
ステージ上の参加者も少しだけ緊張感が増した様子だ。
「では、第2弾投票の最終結果を発表致します!
まず5位と4位から!」
スピーカーからタイミング良くドラムロールが流れ出す。
副会長は会長から渡された紙を開き、じっくり眺めてから前を向いた。
その一連の流れをじっと見守る参加者と来場者。
私も思わず唾を飲み込んで見入ってしまう。
そして、副会長の口はゆっくり開かれた。
「第5位!男子、2年……工藤誠さん!
女子、3年……笹井恵さん!
第4位!男子、1年……樋口圭佑さん!
女子、2年……村本愛里さん!」
副会長の発表に、会場からは大きな拍手が沸き起こる。
そして同時にざわざわと騒ぐ声が増えた。
……えっ。
2位だった人が4位になったり……、
第1弾の投票結果と全然違う順位になってる……?
こ、これは……。
「おい珠姫……もしかするともしかするんじゃねぇのか……?」
沙羅ちゃんはひくひくと笑顔を引き攣らせていて。
私も頷きながら、まさかの展開に戸惑ってしまう。
……工藤くんと村本さんは話したことないけど、確かにとてもイケメンで可愛い。
先輩方だって、後輩の子だってすごく美男美女で。
……とんでもないレベルの世界だ。