爽やかくんの為せるワザ



「さあ、それでは第2位と1位を一気に発表致しましょう!」





スピーカー越しに聞こえてくる副会長の声が頭に響いてくる。




私は最近藍くんと仲良くなってきて、一緒にいることも多くなった。


……もしかしたら、それを良く思ってない人もいるんじゃないかな……。



藍くんのこと好きな人がいたとして、別の女の子が藍くんと仲良くしてたらやっぱり嫌だよね。


……私、藍くんの恋愛の邪魔しちゃってない……?



応援するとか言ってて、自分が邪魔しちゃってたら元も子もない。

……どうしたらいいんだろう。




「珠姫!何ぼーっとしてんだよ!」




がしっと肩を掴まれて揺さぶられる。

またしてもぼーっとしてた私は、そんな沙羅ちゃんの声ではっと我に返った。




「ご、ごめん沙羅ちゃん」


「もう優勝者、発表されたぞ」


「……えっ!?だ、誰だった!?」




気付けば周りが物凄く騒いでいて。

大きな拍手も起こっていた。



私も慌ててステージへ目を向ける。




「まさかの1位、佐賀だってよ」


「……えっ!?」




沙羅ちゃんの言葉を聞いて、私は佐賀くんを見つめた。


副会長が佐賀くんの隣で「おめでとうございます!」と言っているのと、藍くん達が拍手しているのも見える。



ほ、ほんとに佐賀くんが優勝したの……!?



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