ラベンダー。
1年間、お世話になった先輩とも
お別れし、3月は過ぎ去っていき

4月。 桜は満開に咲き誇り、登校道が
ピンクに染まっていく。

愛海といつもの場所で待ち合わせをして いつものように俳優の話などをして いつものように登校する。


校門をくぐり、クラス表を見る。
5クラスある中で自分の名前が
すぐに見つけれる(数少ない特技)

「私はD組だったよ!愛海は?」
「...はぁ...」
「え...もしかして...別クラス...?」
「同クラですよーだ!」
悲しい顔から一変、ドッキリ大成功!
どやぁ! みたいな顔をされて
少しほっとした半面引っかかった...
と思ってしまった。


クラス替えはとてもドキドキして
下駄箱に靴を入れる所が新しくなってたりと、少し違う変化がとても楽しい。


新しい席。 ワクワクしながら座る。


ランダムに席編成されており、私の隣には 「水木七夏」 が座るそうだ。

水木七夏 は 私の性格と真反対。
クラスの中心にいることが多い。
喋った事も、情報も分からないから
尚更怖い...。

少し、机と机の間を離して
読書を始める。

周りは新しくなったクラスに興奮して
キャッキャウフフ と騒がしい。


約10分後。
朝のホームルーム のチャイムが鳴る。
私は、先生の話を聞きながら
本を黙々と読む。

隣をちらっと見ると
「...ふぁぁっ...」
眠たそうにあくびをして
片手を顎に置く。

まじまじと見ると、まぁまぁいい顔で
少し 柔軟剤らしきラベンダーの香りが
漂ってくる。

黒い髪はさらさらとしており、
少し優しめな目は 笑うと凄く
いたずらっぽい。

あまりにもまじまじ見すぎて
気付いた時には、朝のホームルームが
終わっていた。

珍しく、いい人そうと思った私に
忠告したい。

「全然いい人じゃない。むしろ、ずるいよ...」と。
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