ラベンダー。
ホームルーム終了後

入学式 ・ 就任式 と たくさんの行事が
ある為、体育館に移動する。

出席番号に並んでいくのだが
前も後ろも 美人...美人...
ここにいていいのか、と窮屈を
感じてしまう。
愛海も中学生の頃 美人だったので
とてもモテていた。
列の中にも上手く馴染めていて
羨ましい。

体育館に入ると 扉から春風が
吹いてくる。
少し肌寒いがこれくらいが丁度いい。

校長の長い話を静かに聞き
1年も経ったが、まだ慣れていない
校歌を歌う。
もちろん、小さな声で。

長い行事は終わり、体育館内は
ざわざわし始める。
教室に帰ると、先程クラスの担任として紹介されていた
新任の女性教師が現れた。
この学校によく合う顔立ちで、はぁ... と小さなため息をついた。
一言紹介という、地獄の時間が始まった。 9つに分かれたグループの中で
「名前は~です。趣味は~です」
などと親睦を深める為の時間だ。
残念ながら私はあまり知らない人に慣れない。コミュ障というのだろうか...
とても不便。

着々と自己紹介は進んでいき 私の隣の席の水木七夏が自己紹介を始めた。
「水木七夏でーす。特に趣味はなし。」
それだけを答えて 「ん。次」と言うように私の方を見た。
まぁ、こういう人はこんな感じだよね...と思いながら自己紹介を始めた。

「私の名前は 安曇蘭華です。
趣味は.....読書です。」
本当は密かにしているゲームを
言おうとしたがこの場に合わない。
少し沈黙をした後、読書と答えた。
こうやって静かに過ごすのが目的で
読書と答える。好きだから尚良い。

人とは接しない、
そう心に誓う。

ただの逃げの行為であり
本当は、接せれないのだ。


なんとか、地獄の時間を乗り越え
教師の話を聞いた。
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