ラベンダー。
俺はまぁ勉強ができるって程もないし
中学の頃なんか寝てる方が多いほど。
行事なんてほんとだるい、とりあえず参加はするが
中途半端に終わらす。
この女達が来るのはきっと顔なんだろ…
俺が言うのもなんだが昔からよく告られた。
放課後、昼休み、色々な場所、時間で。
でも全部断った。
全然知らない他人と付き合える気がしない。
付き合ったところでなにがある?
そんな思考がずっと俺の脳に張り付いている。
好きで告白して、断られたら泣く。
残念ながら俺には女の思考が分からない。
そんなこんなでこの状況。

「ごめんねー!女の子達ー!今から移動教室で時間ないんだ!…ほら!行くよななにぃ!」
ぐいっと腕を引っ張られ俺はその周りから抜け出した。

「なにすんだよ、香恋。」
「いいじゃーん!だるかったんでしょ?」
そう言って振り向き笑顔を見せてくるそいつの名前は竹下香恋。
幼稚園の頃から腐れ縁で仲が良く
小学、中学は離れていたが高校で久しぶりに会った。ななにぃは幼稚園の頃から引き継がれている。
香恋はまぁモテる。年上から年下まで幅広く。
女からの噂は「手のひらを転がして落とす」なんてぐらい軽々しく、そしてすぐに狙った男を落とす。
俺でも怖い。

「さぁ、早く行かなきゃ遅刻するよ!
ななにぃ急げー!!」
そのまま、はや走りでギリギリ到着。
俺らが座った頃に丁度チャイムがなり教師が入ってきた。
「ふぅ…よかったね…」そう香恋は言った。
「あぁ…そーだな。」

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