ラベンダー。
翌日、私は水木くんの席から一番後ろの席_1人のところに移動した。クラスが奇数だからどーしてもこうなってしまう…。
ちらっと竹下さんの方を見ると仲良さそうに話している。
私、変わってよかったんだな。
少しでも人の為に出来たな。
なんてにこやかに見ていると竹下さんの一言で何かかもめ始めた。じーっと見ていると水木くんが何故か私の所に向かってきて一言。
「席、戻して。」
「…へっ?」
「日本語わからない?も、ど、し、て。」
そんな事をいきなり言われて竹下さんの方を見ると
(やばい…すっごい睨まれてる;;)
「な…なんで?」
「いいから。」
そういって水木くんは私の机を元に戻し
竹下さんの机も移動させた。
(え…怖い怖い怖い怖い…なになに?どーしたの、なんの話したの?)
今の状況にわけも分からず不思議な恐怖感を抱いていた。その後、チャイムが鳴る30秒前に席へ座り、授業が始まった。

授業が始まってから10分、私はなんでこんなことになったのか聞きたくて…。
流石に話すのは嫌だったのでメモ用紙に綴り
水木くんの机にぺたっと付けた。
30秒後、私の元へ帰ってきて返事を見た。

なんで席交換するのに反対したの?…I˙꒳​˙)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

先生に見つかるのは危ない、それだけ。
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男の子っぽい字で書かれたのを見て
少しショックを受けてしまった。なんでなのかは分かんないけど、なぜか悲しくなった。
水木くんの方を見ると左の手で頬杖をつき廊下の方を見ている。
廊下のドアから少し風が吹き水木くんの柔軟剤と思われる ラベンダー の匂いがした。
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