冷たいキスなら許さない
「先生、アポ時間早くして欲しいって、うちのものが先生にお願いしたんでしょうか?」
思い切って先生に問いかける。

「え?知らなかったの?下北さんから朝一番で連絡もらったけど?」

知らない。聞いてない・・・。

「私も出勤途中でこちらに伺うように言われたものですから。そうですか。これ、うちの都合だったんですねーー」

一体どういう事だろう。

「でも、たまにはゆっくりお茶していきなさいよ。せっかくゆっくりしていいって言われたし、今日は僕も時間があるし。久しぶりに趣味の話もしたいしさ」

自分の父親ほどの年齢の先生が福々しいお顔を緩めて私にみせた笑顔はとても可愛らしく、しばし趣味の話で盛り上がった。

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