冷たいキスなら許さない
「ホントに大和んとこのおじさんやおばさんにも困ったもんだな。まぁ待ちきれなかったんだろうけど。・・・で、いつから正式に付き合うようになったって?」

ん?

「何の話ですか?」

「今さら隠さなくていいって。灯里ちゃんと大和だよ。やっとくっついたんだろ?」

「え?!」
背中にイヤーな汗が流れる。

「だ、誰がそんなことを下北さんに・・・」ってあの人たちしかいないけど。

「朝一番でおじさんが俺に電話してきたよ。今回の大きな仕事が終わる時期を知りたいって。その先に入ってるものは何かとか。あ、長野の光のとこにも問い合わせしたらしいぞ。
その後すぐにおばさんから連絡来て、大和が何時に長野に戻るのかと灯里さんの忙しさを聞いてきて。
いつ頃なら式を挙げられるかって聞かれてさ」

し、式?

「いつ灯里さんが長野の本社に戻れるのかとか、会社関係は何人くらい招待したらいいのかとか、長野、厚木、東京のどこで結婚式をやるのがいいかとか。まあいろいろ。そんな状態になったんなら早く教えてくれてもいいじゃないか、水臭いな、大和も灯里さんも」
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