冷たいキスなら許さない
えええー
「・・・どうしましょう」

真っ青になって両手で顔を覆った。
だからしっかり誤解を解こうって言ったのに。バカ社長。

「進の時もそうだったからさ。俺たちはこんな騒ぎは二回目で何となく流れは予想ついたけど、灯里さん大丈夫?ここから激流だよ。今夜にでも婚姻届け書かされてたりして~はははー」

こ、コンイントドケだとお~???
はははじゃないって。

「助けて下さい。下北さん。ホントに助けて下さい。私たちそんなじゃないんです」

「え?まさか」
下北さんの目が大きくなる。

「まさかの大人の関係?灯里さんってそんなことできる子だったの?俺ショックだよ」

「ぎゃー!イヤー!!!そんなはずないじゃないですかっ!!!」

何の話よ!!って今朝のアレか。

・・・どう説明したらいいのよ。こんなプライベートな話。
だから、あの場で誤解を解かなきゃいけなかったのにー

どんどん社長に恨みが募っていく。

「えっと、ちなみに下北さんは何を聞いたんですか」
おそるおそる声を出す。

「え?やだなー。女子がそんなこと聞く?」

「や、やっぱりイイです」
照れる下北さんを前に早々に諦めた。

たぶん、すごいこと想像されてる。
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